「ショーシャンクの空に」を観て疑問に思ったこと
テレビで「ショーシャンクの空に」を観ていて(もう何度も観ているが)疑問に思ったことがあった。
主人公が図書係となり、先任の図書係に中を案内してもらうシーンなのだけど、
「これは地理の月刊誌…」
という先任の台詞の字幕があった。でも、実際の台詞は
「ナショナル・ジオグラフィックス」
と言っているんだよね。言うまでもなく世界でも有名な雑誌で、今やナショナル・ジオグラフィックスチャンネルだってあるくらいだし。
確かに地理の月刊誌と言えなくもないかもしれないけれど、「ナショナル・ジオグラフィックス」は固有名詞だから、「地理の月刊誌」と翻訳するのはどうなの?と。
翻訳者が「ナショナル・ジオグラフィックス」が日本では知られていないと思い、敢えて「地理の月刊誌」と訳したのか?
あるいは翻訳者自身が「ナショナル・ジオグラフィックス」を知らず、固有名詞だとは分からずに訳したのか…。文章で見たら、頭文字は大文字のはずだけど。
しかし、雑誌や新聞などの固有名詞はそのまま訳すべきじゃないのかなぁ?特に「ニューヨーク・タイムズ」などにも匹敵するくらいの知名度のある老舗の雑誌だもの。
映画の字幕の場合、字数制限があるから、けして正確に直訳できるわけではないけれど、それでもこれは違うんじゃないかな?と。
以前、アメリカの有名な避暑地である「Martha's Vineyard」という地名を「マーサのぶどう園」と訳してる翻訳家がいたけれど、これは絶対に地名を知らなかったゆえのミスだろうと思った。
とはいえ大文字や小文字で固有名詞かどうかは分かるはず。
また前後の繋がりから、なんでここにぶどう園が出てくるのか?と不思議に思わなかったら、翻訳家は失格でしょう。
翻訳家は単に外国語を日本語にするだけではなく、その物語なり何なりの周辺知識も持っていなくてはいけないよね。
最近、そういう知識を持っていない翻訳家が多くなっている気がするし、日本語自体も変だったりするので、がっかりしてる今日この頃です。
テレビで放映される映画は、翻訳者が違うバージョンがあるので、時々あれ?と思う。
例えば「プリティウーマン」では、「デンタルフロス」をそのままにしてる人と「糸ようじ」と訳しちゃってる人がいるし、「プレデター」では、シュワルツェネッガーがプレデターを見て「醜い野郎だ!」と言うのと、「なんて醜い顔なんだ」と言うバージョンがある。
どれも間違いではないんだろうし、意味は伝わるんだけど、映画の雰囲気やその場面を考えたら、どちらのバージョンがいいかは言わずもがなでしょう。
映画の場合は、本と違って画面の雰囲気もあるから難しいと思うけど。
ともあれ、この映画に関しては「ナショナル・ジオグラフィックス」は知っているけど、字数制限でやむを得ずとか、日本人に分かりやすいように敢えて訳したとお願いだから言って欲しいものだね。
英語の翻訳をしていて、「ナショナル・ジオグラフィックス」も知らないって恥だから。