南北戦争の真実

昨夜、雨になって冷え込んだので、今日は雪かもと思っていたが、意に反して良い天気。でも、たまったPC作業をしなきゃ!というわけで、引きこもり。 『ハワーズ・エンド』 と併読で、中断していたバーダマン先生の 『ふたつのアメリカ史─南部人から見た真実のアメリカ』 も片付け始める。


バーダマン先生の本には、タイトル通り南部から見たアメリカの姿が描かれているわけだが、今やほとんどのアメリカの歴史書には、南北戦争奴隷解放が目的だったなどということは書かれていないというのを読んで、そうだったのか!と。というか、自分自身でもいろんな物語を読んだり映画を観たりしているうちに、奴隷解放が目的であったとは到底思えなかったから、やはりそうだったのかと思った次第。


今では私も南部贔屓のせいで、南北戦争北軍のヤンキーは酷いなどと思うわけだが、学校で習った南北戦争では、北軍は奴隷を解放するために戦っているのだから偉いと思っていたわけだ。さらに、その時の大統領であるリンカーンは、素晴らしい偉人なのだと思い込んでいた。


アメリカ人ではないからリンカーンの詳細な人格についてまでは良くわからないけれど、少なくとも今では、何が真実なのかまでははっきりわからないにしても、学校で習ったようなことが全て真実ではないことを知っている。


どんな事にも二面性はあるわけで、北部から見たアメリカと、南部から見たアメリカとがあることを理解しなければならないし、話を広げれば、中東問題についても、ユダヤから見た中東、アラブから見た中東と、第三者は両側から見なくてはいけないと思う。


先日ある人と話をしていて(いい大人だが)、あまりにもユダヤ人に対する偏見があるのでびっくりした。知らないなら知らないで仕方がないが、事実を知らないのに、世間の風評を鵜呑みにして、ユダヤ人批判をしているのに腹が立った。


ユダヤ人だって人間だから、中には性格の悪い人もいるだろうが、ひとりを見て、全てのユダヤ人がそうだとは言えない。それはどこの国の人間でも同じことだと思う。実際、私は性格の悪いユダヤ人よりも、もっと多くのさらに性格の悪い日本人を知っている。そんな風に、ユダヤ人に対して故意に悪意で作られてきたイメージを、実際にユダヤ人を知らないのに、そのまま信じている人がどれほどいるだろうか。


どうも話が大きくそれてしまったが、要するに、事実を知らないのに、そうだと思い込まされていることが、世の中にはたくさんあるのだなと。そして、何かを考えるときには、少なくとも一方の側だけでなく、もう一方の側に立った見方もしなくてはいけないのだと思った。バーダマン先生のこの本は、そういうことが切実に伝わる本だと思う。