ユダヤ人と反ユダヤ主義─第3回:ユダヤ人陰謀説の底本『シオン議定書』

今日は面白かった。失礼!いつも面白い授業なのだが、今日は常々怪しいなと思っていた「ユダヤ人陰謀説」についての話だったので、特に面白かった。世間ではユダヤフリーメーソンの関係だとか、日本人の祖先はユダヤ人だとか、いろいろと怪しい話があるけれど、全部嘘ですというのが結論。


陰謀説のそもそもの元というのが、上に書いた『シオン議定書』(第一版1905年)というもので、中身を見るとなかなか信憑性がありそうなのだが、近年これは偽書であると断定されたらしい。また、小説に書かれたユダヤ人像というものが、いつのまにか本当のことだとされてしまったというのもある。


例えば、今話題の『ダ・ヴィンチ・コード』はフィクションなのだが、人によっては本当だと信じ込んでしまう人がいるように、作り話であるにも関わらず、それが広まっていくうちに、いかにも真実であるかのようになってしまうのだ。ユダヤ人ジャイロックを描いたシェイクスピアの罪は重い!


さて、ユダヤ人陰謀説とはどういうことかというと、各国政府や経済界の裏の世界で、ユダヤ人たちが世界を牛耳ろうとして陰謀を企んでいるというもの。そういうことを書いた本は、世界のあちらこちらでひっきりなしに出版されていて、いちいち読んでいてはキリがない。


個人的には、こういうトンデモ本はUFOの話なんかと一緒で結構好きだけれど、これを真に受けて信じ込んでしまう人がいるのが怖いところ。そういう私自身も、読むと「ああ、やっぱりそうだったのか・・・」みたいな気になってしまう。


ちなみにフリーメーソンとは、元はイギリスの石工組合で、ヨーロッパの成功した人々が入る親睦組合である。ただし誰でも入れるわけではなく、一応資格審査などがあるので、何か秘密めいた謎の組織のようなイメージを持たれてしまうらしい。


ところで、この『シオン議定書』(Protocols of the Learned Elder of Zion:シオン長老の議定書)だが、『ダ・ヴィンチ・コード』に出てくるシオン修道会と何か関連があるのでしょうか?と質問したところ、「シオン修道会とは何ですか?」と逆に聞かれてしまった。


そもそも近藤先生は『ダ・ヴィンチ・コード』も知らないとかで、今騒がれているようだけど、あれは何?ということだった。マジで!?もともと政経学部の西洋政治学の教授だから、作り物のフィクションなどは全然読まないのかも。(^^;


NHK大河ドラマだって、もとは小説家が書いたフィクションなのに、あれを史実だと思い込む人がいるのは困ったことです!とのことだった。


そんな近藤先生が、この本のトンデモぶりはすごい!とお薦め(?)の本が、以下に紹介する 『米国同時多発テロの「謀略史観」解析―真犯人は国際イルミナティ三百人委員会だ!』 という本。アメリカの同時多発テロは、アラブを騙ったユダヤ人の仕業だという荒唐無稽な話らしい。目次だけ見せてもらったが、面白そう!どれだけトンデモないのか、ぜひ読んでみたい。(^^;



『米国同時多発テロの「謀略史観」解析―真犯人は国際イルミナティ三百人委員会だ!』/週刊日本新聞 (編集)

  • 価格: ¥1,200 (税込)
  • 単行本: 127 p ; サイズ(cm): 21 x 15
  • 出版社: 三交社 ; ISBN: 4879195804 ; (2001/11)

内容(「BOOK」データベースより)
MI6(英国)元諜報員、元米軍関係者、共和党米大統領候補者リンドン・ラルーシュ、元英国テレビキャスターなど海外アナリストの、マスメディアでは絶対扱わない“危ない”最新・最深の情報を基に「週刊日本新聞」編集主幹太田龍が読み解く「911テロ」の全真相。