ニューヨーク→東京

<第九日目>

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約12時間(機内食3回)
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ニューヨークを発って帰国の途につく。今回限りは、ほっとした気分。これが、ニューヨーク→ニューオーリンズという逆の行程だったら、また違ったのだろうけれど。


ニューアーク空港のコンチネンタル航空のデスクでは、コンピュータでチェックインをするのだが、迎えに来てくれた旅行社のガイドも、やり方がよくわからなくて途方にくれる。しかし、航空会社の人にやってもらって、事なきを得た。コンピュータでチェックインをすると、座席も好きなところを選べるのが良い。


指紋も二度取られた。防犯チェックの機械が各種導入されているので、前回サンフランシスコに行ったときよりはチェックは簡単になったが、なぜ指紋を二度も取るのか納得できなかった。


空港での時間がありすぎて、朝食(メキシコ料理)を食べたあと、おみやげ店でまた余計なものを買い込んでしまった。ホワイトハウスの紙ナプキンとか、歴代アメリカ大統領が載っているブックマークとか、大統領のボールペンとか・・・。(^^;


機内では「リング2」(アメリカのもの)とトラボルタ主演の「Be Cool」という映画を二度ずつ観てしまった。「Be Cool」は面白かったが、「リング2」はひどかった。にもかかわらず、暇なので二度も。


今回、奇しくも南部と北部の両方に行ったわけだが、ニューヨークに住んでいる人からしてみれば、ニューオーリンズは天国なんだろうなと思う。だから皆あんなに楽しそうなんだろう。ニューヨークでは、あんな笑顔は見られない。


短い期間しかいないから、どちらがいいとも悪いとも言えないが、個人的に南部の小説が面白いと思える理由もわかったような気がする。うまく言葉にできないのがもどかしいが、南部には語るべきことがたくさんある。語るに値すると言うべきか。かといって、ニューヨークには何もないというわけではけしてないが、ニューヨークにいたら、内にこもりそうな気がする。自分と向き合い、自分のことを語ることこそが重要だという風に思うに違いないと考えた。


もちろん、どちらが優れているということではない。ただ、私は面白い「物語」が好きだから、南部のほうがより面白いと思えるのだろう。特に意識していなくても、面白いと思う小説は、だいたい南部の作家のものだったりするのだ。個人の好みではあるけれど。


では、南部に住みたいか?と言われると、それはまた違う問題で、実際に住むということになったら、それはそれで困るだろう。でも、「サザン・ホスピタリティ」という言葉があるように、私には南部の人たちのほうが親切に思えた。食べ物もおいしいし。とにかくアメリカに、まともな味覚の人たちがいるということがうれしかった。


なんとなく、ニューヨークのほうは悪口ばかり書いてしまったが、ニューオーリンズとの差があまりに大きかったのは事実。それが南部と北部の違いというわけでもないだろうが、バーダマン先生が言っているように、南部のほうがアメリカという枠にはまらないということなんだろうと思う。


しかし、いくらニューヨークは合わないと言っても、それもこれも実際に行ってみて初めてわかることだから、結局行ってよかったのだと思う。また別の目的があれば、ニューヨークも楽しいに違いない。今回はあくまでも南部が目的だったし、ニューヨークはおまけ。せっかくだからニューヨークにも行っておこうかという程度だったから、準備も不足していたのだ。