人間の邪悪さ

このところホラー小説を好んで読んでいるけど、そういう小説には、だいたい邪悪なものが出てくる。だけど、小説の中の邪悪さなど、本物の人間の邪悪さに比べたら、かわいいものだ。人間の邪悪さは、銃やナイフなど用いなくても、言葉ひとつで人を殺せるほどだ。そんな邪悪さに出会うと、身がすくむ。というか、そんな人間がいるということが、ほんとにショックだ。


ごく一般の普通の家庭に育った人間なら、人を傷つけてはいけないとか、傷つけるようなことを言ってはいけないと、親から学ぶはずだが、そうではない人も大勢いるのだと、今更のように気づく。


もちろん、傷つくポイントというのは、人それぞれ違うだろうと思うけれど、そういう人たちは、たとえ初対面でも、相手が傷つくポイントを確実に知っていて、まるでそれを狙ったかのように、平気で、いや、故意にそういったことを口にしたり、行動したりするのだ。それがわかっていてやるから、なおさら邪悪なのだ。


それと、例えそのようなことを躾けられた人間でも、こと「種の保存」の問題になると、本能丸出しになってしまうんだろう。独り者が恋人をみつけるのは死活問題なのかもしれないけど、言わせてもらえば、合コンなどで必死になってる姿って、みっともないよ。そんなにあくせくしていなければ、いずれ普通に出会えるだろうに、ろくでもない相手しかいないのに、もてようと思ってる姿って、マジでみっともない。ろくでもない相手にもてたって無駄なんだから。


例えば、私が小説でも不倫ものとかが嫌いなのは、もちろん自分がそんな目にあいたくないというのもあるが、「好きになってしまったらしょうがない」という理屈は通らないと思っているからだ。複数の人が好きというのはあり得ると思うけれど、動物じゃないんだから、理性をかなぐり捨てて性欲に走るというのは、どうなのよって感じ。


それと、もうひとつ言わせてもらえば、女よりアタシのほうがかわいいわ!と思ってるオカマ!女より努力して、より女らしいかもしれないけど、どうがんばっても内臓は男なんだから。性癖は問題じゃないけど、性格の良し悪しって点じゃ、男も女も関係ない。いくら女よりかわいくたって、意地が悪いんじゃ、話になりませんって。


とにかく、話を元に戻すと、邪悪なものが出てくる小説を読んでいると、なぜかそれよりも邪悪な人間が目につくってこと。邪悪なものに敏感になっているせいかもしれないし、今まで気づかなかったけれど、小説を読んだおかげで、これが邪悪ということなんだと気づいたせいかもしれない。そんなことには気づきたくもないんだけれど。


ああ、こんなことを書いてしまうなんて、私も邪悪だ。