ニューオーリンズとサンフランシスコ

今日も天気はいいのに動けない。体調不良で頭も回らないし、ソフトバンクダイエーホークスを買収などという嫌らしいニュースもあって(私は元ダイエーの販売促進課で、しかもソフトバンクの孫が大嫌いなのだ)、ネットを開いてサイトの×印を見るのも癪にさわるというわけで(ヤフーのせいだから)、とりあえず手元にあった本を読む。


これが、昨日から読み始めた小人の話じゃなくて、アン・ライス『The Witching Hour』*1 だっていうところに、なにやら魔力を感じる。やめたいのにやめられない。私にも悪霊ラシャーが取り憑いたか!って感じ。アン・ライスニューオーリンズ生まれだが、20歳から27年間もサンフランシスコに住んでいた。なので、物語の第一の舞台はニューオーリンズなのだが、第二の舞台はサンフランシスコである。


いくらアメリカ南部に興味があるとはいえ、ニューオーリンズには行ったことがないので、文章から想像するしかないのだが、アン・ライスのこの本には、他の南部ものに比べて、かなり多めにニューオーリンズの特徴(特にガーデン・ディストリクト周辺)が描かれているのだろうと思う。それも濃密に。


同じように、第二の舞台であるサンフランシスコのゴールデンゲート・ブリッジ周辺も丹念に描かれていて、こちらは行ったことがあるので、目の前に情景が浮かんでくる。そういった意味では、サンフランシスコが舞台になっている部分のほうが興味深く読めるのだが、そうはいっても、やっぱりこれはニューオーリンズの話で、そこの怪しげな雰囲気を抜きには語れない代物なんだろう。


などと考えながら読んでいたら、昨日放り出したはずの本の割には一気にいって、やっと主人公のローアン・メイフェアと、宿命の相手マイケル・カリーが結ばれる段まで進んだ。やっと話が展開してきたよ、と思ったら、次は一気に17世紀まで飛ぶらしい。歴史物も書いていたアン・ライスだけに、そういう運びが好きなんだろうなとは思うが、せっかくここまで読んだのだから、どんどん展開させてくれないと困る。


17世紀に、メイフェア家の祖先が悪霊ラシャーを呼び出してしまうという話の顛末について描かれていくようなのだが、これまでにも現れている上品な男の幽霊(らしきもの)が、なぜ悪霊なのか、メイフェア家とどういった関連があるのか、一応好奇心は掻き立てられてはいるので、たぶんこの先も続けられるだろうとは思うが、それにしてもやっぱり冗長な文章だなという印象は否定できない。アン・ライスは耽美的と言われたりしているが、耽美的というのとはちょっと違うような・・・。