総合英語(6)&アメリカ南部映画祭(4)

今日は雨が降りそうで降らなさそうで、でも結構涼しい。だけど、湿度があって、動くと暑い、みたいな天気。夏日よりはいいかしらね、って感じ。

<今日のポイント>

“Practice makes perfect”

これは「習うより慣れろ」という意味。くどくど説明する必要もないくらい、語学においては、これしかない!みたいな言葉。繰り返し、繰り返し、そしてまた繰り返して勉強することが大切ということ。


アメリカ南部映画祭(4)

『Crazy in Alabama』(邦題『クレイジー・イン・アラバマ』 1999年)(原作『クレイジー・イン・アラバマ』
監督:アントニオ・バンデラス
脚本:マーク・チャイルドレス
出演:メラニー・グリフィスデヴィッド・モース、ルーカス・ブラック

アラバマの小さな町に暮らしていた子だくさんの主婦のルシールは、女優になる夢を実現するべく、横暴な夫を殺し、その首をもってハリウッドへ向かう。なんでまた首を? 一方、その甥ピージョーは、もりあがってきた黒人の公民権運動に巻き込まれていく。時は1965年夏、激動の季節だった。

<時代背景>

『Breakfast at Tiffany's』(邦題『ティファニーで朝食を』 小説1959年、映画1961年
②Voting Rights Act(投票権法)の成立(1965年8月)
③「Bewitched」(邦題「奥様は魔女」 1964年-1972年)


<ルシールと首の旅路>

Industry(Monroeville?) → Alabama River→New Orleans(Lafitte's Blacksmith Shop─ニューオーリンズに実在の古いバー) → Mississippi River → San Antnio → Las Vegas → Los Angels → San Francisco

●原作(1993年)と脚本は、Mark Childress。1957年アラバマ州モンローヴィルで生まれる。
『To Kill A Mockingbird』(邦題『アラバマ物語』 1960年)の著者ハーパー・リーもモンローヴィルの人。映画の「To Kill A Mockingbird」は、そこで撮影された。
●『Breakfast at Tiffany's』の著者のトルーマン・カポーティもモンローヴィル育ちで、リーの友だち。映画「アラバマ物語」のディルは、少年時代のカポーティがモデル。
●マーク・チャイルドレスは、リーの家のすぐ近くで暮らしていた。第一作の『A World Made of Fire』1984)には、ハーパー・リーの推薦文がついた。
●映画中のサン・アントニオにある「Bar Alamo」のウェイトレスは、『Fried Tomates at the Whistle Stop Cafe』(映画『フライド・グリーン・トマト』の原作)の著者で女優のファニー・フラッグアラバマ州バーミンガム生まれ)。


※原作者のマーク・チャイルドレスが脚本を手がけただけのことはあって、わりに原作に忠実に作られている映画だった。欲を言えば、主人公ピージョーのおじさんのダブの心の葛藤を、もう少し入れて欲しかったという気がしないでもない。「大人だから、正しいことができないんだ」と言う苦悩に満ちたセリフを聞きたかったなあと。

一番驚いたのは、ピージョー役のルーカス・ブラックが、「すべての美しい馬」で、ブレヴィンズ役をやっていた子だったこと。ブレヴィンズは重要な役柄で、それを考えると、なかなか将来有望な俳優(現在22歳なので、もう子役とは言えない)なのだろうと思う。

ピージョーは、それこそ「アラバマ物語」のおにいちゃん風の男の子だろうとイメージしてたので、ルーカス・ブラックがピージョーをやるとは思ってもいなかった。特に数日前に「すべての美しい馬」を観たばかりだったので、個人的にはちょっとギャップを感じてしまった。ちなみに、興味を持ったついでなので、ルーカス・ブラックについて少し調べた。→ルーカス・ブラックについて

それでも、原作の持ち味は十分伝わっていて、面白かった。やはり原作者が脚本を手がけると、原作と映画が全然違うという事態にはならないようだ。ちなみにこの映画は、日本では夕張映画祭でしか上映されておらず、一般公開はされていない。ご覧になりたい方は、DVDで。

今回も映画のあとに、青山先生を囲んで飲んだ。授業を受けていたときとは違う話もいろいろ聞けて、楽しかった。


●次回の作品
『Glory』(邦題『グローリー』 1989年)