宮沢賢治『賢治童話』(550p)

不朽の賢治童話全一冊
賢治童話が不朽なのは、そのシュールな幻想、苦しすぎる現実からの脱皮と思えるこの世ならぬ美しさも、そこに定着して極楽浄土が得られるのではなく、また現実の痛みに戻ることが必ず行われ、不条理な現実を超えるための苦渋にみちた祈りと意志で到達する苦行ににた昇天であるからだ。―白石かずこ


久しぶりに賢治童話を読んでいる。もう何度も読んでいるので、あえて読み終えるつもりもなく、気が向いたら読めるように、いつも手元に置いてある全一冊。賢治の童話は、何時、何度読んでも、常に新鮮な思いにとらわれる。


しかし、「雨ニモマケズ」という一節を知らない人も多く(私だって全部は覚えていないが)、さらには宮沢賢治という名前も知らないという人もいる。これは特に賢治を好んで読むということではなく、学校で教わる事柄のひとつではないのか?と思うし、例え覚えていなくても、聞いたら思い出すくらいはあるかと思ったが、本当に知らないらしい。悲しいことだ。


私も勉強をしたほうではないけれど、今の若者は、もっと勉強してないんだなと愕然とする。ゆとり教育とかで、現在の教科書では教えないことも増えたのだろうが、子どもの脳はいくらでも吸収できるのだから、いろんな事をたくさん教えるべきだと、私は思うけどな。


それこそ人間の脳は、億光年の深さがあると思う。年を取って、覚えたくても覚えられなくなってからでは遅いのだ。