「ドア・イン・ザ・フロア」

ジョン・アーヴィングの小説『未亡人の一年』(原題『A Widow For One Year』)を映画化した「ドア・イン・ザ・フロア」のDVDを購入した。これは恵比寿で単館上映だったので、観に行きたかったのに結局行けずじまいで、DVDが出るのを心待ちにしていた作品。


『未亡人の一年』が上下巻とすれば、上巻だけを映画化した感じらしいが、原作から言うと、それでは『未亡人の一年』という意味が通らない。「ドア・イン・ザ・フロア」は、原作の中にある児童向け作中作のタイトルである。どんなものかは、私のHPのアーヴィング・コーナーで取り上げてあるので、興味がある方は、そちらをご覧になっていただきたいが、このタイトルと映画の内容もまた全然違うものだ。→アーヴィングの児童文学


アーヴィングのこの本の中での作中作は3作あって、そのうちの1作『A Sound Like Someone Trying Not to Make a Sound』は絵本として出版されている。以前から単独で出版してほしいと思って思っていたので、こうして絵本になったことは非常に喜ばしい。これら3作は、『未亡人の一年』の登場人物であるテッド・コール(児童文学作家)が、娘のルースのために書いたお話で、妻のマリアンの愛人エディの愛読書でもあるという複雑なモチーフの小道具でもある。これらは児童向けの話だが、映画のほうは「R-18指定」というのも皮肉な感じ。


てなことをうだうだ言ってないで、早く観よう!