やっと!「ルーンロード」読了

あっという間に読み終えられるだろうと思っていた「ルーンロード」が、やっと終わった。ファンタジーの上下巻で10日もかかるとは!こんなにかかるとは全く思いもよらなかったけれど、それだけ本に集中していないということだろう。


それに、この本はファンタジー特有の大判の単行本なので(ハリポタくらい?)、寝ながら読むのにも重たくて非常に読みにくい。どうしてファンタジーの単行本は大判にするんだろう?ほんとに、なんでですか、出版社さん?


ところで、この『ルーンロード2 狼の絆』はシリーズ2作目だが、不覚にも涙してしまうような部分もあって、予想外の展開だった。1作目はどちらかといえば馬鹿にしていたのに、2作目になったら、まるで作家が変わったみたいに面白くなったのが不思議。


1作目ではひよっこだった主人公のグボーンが、大地の王になった途端に、いかにも王らしくなったのも不思議だが、たぶんこの2作目は、邪悪な大王アーテン(絶世の美男子だが)が出てくるシーンが少なかったのが、面白くなった理由かもしれないなと思う。グボーンの周囲の騎士たちの描写なども多く、そんなことから、2作目はなんとなく「ドラゴンランス」っぽいのだ。


しかし10日もかけて読んだのに、これといった結末には至らず、当然続くわけだよね・・・という物足りなさが残る。最後に大地の王であるグボーンが大王アーテンを殺そうと思えば殺せたのに、わざわざ生かしておくあたり、3作目は大王大暴れか!という感じ。


この話の場合、力と力の戦いというよりも、頭脳戦、心理戦の趣があって、大地の王と大王アーテンのやり取りが、なかなか興味深い。そしてどんな話でも、涙するのは「自己犠牲」という精神だ。日本人は、結構これに弱いかも。ただし、「自己犠牲」の精神は美しいが、「自爆テロ」は無意味だ。