レイトショーで泣く

新宿武蔵野館にレイトショーを観に行った。アニー・プルー原作の 「ブロークバック・マウンテン」。内容うんぬんというより、カウボーイ映画というのに惹かれて観に行ったのだが、まさにカウボーイがいっぱい出て来て最高!脚本がラリー・マクマートリーというのもすごい。


というのは話半分として、実はこの映画はホモの映画で、怖いもの見たさみたいなところもあったんだけど、同性愛というのはさておいても、人間が人間を愛するということの喜びや苦しみが、ひしひしと伝わってくる素晴らしい映画だった。★5つです!


個人的にはストイックなイニス(ヒース・レジャー)が好き。言葉ではうまく言い表せないのだが、とにかく映画を見てもらえばわかる。「自分で解決できないことは我慢せよ」というアニー・プルーの信条が、そのままイニスに乗り移っているみたいだ。


映画の中のロッキー山脈の景色も素晴らしいし、音楽もいい。最後にウィリー・ネルソンの「He Was A Friend Of Mine」(http://www.wisepolicy.com/brokebackmountain/top.html のSOUNDTRACKページで聞けます!)を流すなんて、やられた!という感じ。もうこれだけで泣き!もちろんその他の曲もいい!


「He Was A Friend Of Mine」の「Was」に注目。過去形になっているのがなんとも悲しい。もう涙が止まらなくて、嗚咽をこらえるのに苦労したほど。性別を超えて、こんなに深く人を愛せるのかと、本当に感動した。


というか、これは男だったから良かったのかも。それも言葉少ない無学なカウボーイだったからこそ、言葉に表せないもどかしい気持ちが、少ない言葉の中から溢れてくるのが感動したのだと思う。これが饒舌な映画だったら、ちょっと白けたかもしれない。


それと、愛には関係ないんだけれど、イニスがずっと貧乏で、不器用で、自分はカウボーイしかできないみたいな、そんな生活を送っているのにもなんだかしみじみさせられて、それにも涙してしまった。


いい映画だったよ、本当に。劇場を出る時には、パンフレットはもちろんのこと、サントラのCDと原作本まで手にしていた。本のほうがいいんじゃないかな?と思っていたけれど、映画は映画で素晴らしかった。