ヤングアダルトものの不運

図書館で延々と待たされた、ヤングアダルトものの『トワイライト』だが、ヤングアダルトの翻訳といえば、金原瑞人氏系が多く、これも例外ではなかった。そのせいで、ちょっとうんざりしてしまって、あまり進まない。原書でも難しくはなさそうな文章だから、これは絶対に原書で読んだほうがいいだろうなと。


この小説に限ったことではないが、最初に状況説明がだらだら書いてあるものは、やっぱり面白くない。とにかく、まず何かが起こってほしい。でないと、興味を持って読み進められない。特に何も起こらず、状況だけを説明しているのに、それでもなおかつ面白いというのは、ジェイン・オースティンくらいのものだろう。


しかも、ヴァンパイアものということで期待も大きかったので、ちょっとがっかりだ。さらに翻訳が金原氏系となると、これは個人の好みもあるけれど、この本の不運を嘆くより仕方がない。ヴァンパイアものの訳がおどろおどろしい必要はないけれど、あまりにも、あまりにも軽すぎる。


ヤングアダルト=金原氏系という出版社の思い込みも、いい加減にやめてほしいものだ。作者がかわいそう。それと、あのマンガね。あれもどうにもいけない。マンガしか読まない若者にも読んでほしいという考えなのだろうが、主人公のイメージも全然違うし、ああいう挿絵はむしろ邪魔なだけ。


ちなみに、2巻、3巻も予約してあるんだけど、どうしようかな・・・。1巻もまだ最後まで読んでいないので、もしかしたら面白くなる?かも?と、一応期待はしているのだけれど、あの口調でずっと行くのかと思うと、やっぱりうんざりする。


ところで、今日はテレビでスティーヴン・キングの「スリープ・ウォーカーズ」という映画を観た。これもヴァンパイアものなので、かなり期待していたのだが、なんだこれ?という、B級ホラーの中でも最低ランクじゃないかといった感じの映画だった。いくらなんでも、あの最後の変身はないでしょう!


特殊メイクも不気味というより、笑う。宇宙から来たとかいう設定でもないのだから、べつに怪物に変身する必要はないんじゃないの?キングのホラーって、エルム街のフレディ的なふざけたところがあるのが好きじゃない。


ヴァンパイアは、これも私個人の勝手なイメージだが、美しくて繊細で、影があって退廃的というのでなければならない。「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」のトム・クルーズアントニオ・バンデラス、ブラピのヴァンパイアも健康的すぎて、私は許せない。