フリッツ・ライバー

図書館から、フリッツ・ライバーの<ファファード&グレイ・マウザー>の2、3巻が用意できたとの連絡あり。うう、どうしよう・・・1巻目だけで、もう十分て感じになっている。


これは剣と魔法の物語だけれど、こういう話にしてはちょっと詩的すぎて、冗長。展開があまりスピーディーではないし、詩的な表現があまり好きではない私にとっては、これを3冊読むのは苦痛かも?


主人公たちもけしてカッコいいヒーローではないし、二人の関係がちょっと<ドラゴンランス>のキャラモン(剣士)とレイストリン(魔法使い)を思い出させるものの、二人ともいわゆる「善」ではなく、かといって「悪」でもなく、なんだか中途半端で面食らう。


フリッツ・ライバーはすでに故人だし、年代から言っても、この物語はけして新しくはない。そんなわけだから、翻訳がちょっと古めかしい感じがする(嫌いではないが)と前にも書いたが、途中で何を読んでいるのかわからなくなったりする。「これは 『アイヴァンホー』 だったかな? 『三銃士』 だったかな?」などと錯覚してしまうくらいだ。


北国生まれの大男ファファードと、南国生まれの小男グレイ・マウザーが、剣と魔法(ほとんど呪術といってもいいかも)で戦っていく様子を書いた物語ではあるが、聖杯や指輪を探すとか、国を守るとかといった目的がないので、この人たちは一体何を目指しているのだろうか?と疑問。


けして面白くないわけでもないのだが、結局目的がよくわからないままの冒険だから、長編ではなく、中編でいくつものエピソードを綴っていく形になっているのだろう。だから、続巻も読む気になれず、1巻だけでも十分だなと思ってしまう。


シリーズの最初の常で、1巻目は説明的なことが多くて、展開がもどかしいのかもしれない。巻を重ねるにつれて、面白くなるのかもしれない。でも、個人的にこの二人のキャラがあまり好みではないというのが一番のネックだ。私はやっぱり「高潔でカッコいい」ヒーローのほうが好き。


「剣と魔法のファンタジー」と言ってもいろいろあるだろうが、私がイメージしていたものとはずいぶん違った。結局「剣と魔法のファンタジー」と思って読んだのが間違いだった。それこそ『アイヴァンホー』や『三銃士』の類と思って読んでいれば、逆に「ちょっとファンタジーっぽいな」と思うくらいで、特に問題はなかったかも。