F.P.ウィルソンの<ナイトワールド>

昨年末から楽しみにしていた、F.P.ウィルソンの<ナイトワールド>シリーズ1作目、『城塞(ザ・キープ)』を読み始め、スローペースだが、とりあえず上巻を読み終えた。これは、私の大好きな(?)吸血鬼もの。


予定では、今頃ステファニー・メイヤーの『トワイライト』(これも吸血鬼)を読んでいるはずなのだが、11月に図書館に予約した時、4番目ですと言われたのに、今もって、まだ4番目のままらしい。なぜ?


たまたまコンピュータ操作が下手なおじさんだったため、それ以上聞くのは無理だったのだが、そろそろ2ヶ月になるというのに、なぜずっと4番目のままなのか、依然として不明。


というわけで、ウィルソンのほうを読んでいるわけだが、<始末屋ジャック>のシリーズもそうだったが、ウィルソンはシリーズの出だしがあまり上手くない。シリーズ全体はそこそこ面白いのだが、どのシリーズも1作目は説明が多くて、うんざりな部分がある。


この作品でも、あらすじも何も知らなければいいのだろうが、吸血鬼ものであるということを知っているだけに、上巻の終わりごろになって、やっと吸血鬼らしきものが出てきたので、待ちきれなくて息切れしそうだ。


だいたい、重要人物のドイツ軍の大尉が、絵を描くのが趣味で・・・なんて、なんか意味があるわけ?と思う。「この景色は水彩ではなく油絵だ」とか、どうでもいいや、そんなこと!早く吸血鬼を出せ!という感じ。


で、やっと出てきた吸血鬼らしきもの(まだ吸血鬼と断言されていない)は、あの吸血鬼の祖ブラド・ツェペシュ(串刺し)候のお友だちらしい。これが出てくるまで、まさかこれも<始末屋ジャック>に出てきた化け物「ラコシ」じゃないだろうな・・・と嫌な予感がしていたのだが、どうやら「ラコシ」ではないみたいなので、とりあえずほっとした。


でも何となく、ただの吸血鬼ものではないという感じもしている。ということは、のちにこのシリーズにもジャックが出てくるところから考えても、何か「異界」に繋がりがあって、やっぱり「ラコシ」が出てくるんじゃないか?と。。。


しつこい化け物は、物によっては嫌いではない(「エイリアン」とか)のだが、ラコシには魅力を感じていないので、またラコシが出てきたら嫌だ。うんざりだなあ。知能もあまり高くないみたいだし、ジャックひとりにやられてしまう程度の化け物だし。


でも、私はなんで吸血鬼が好きになったのかな?「吸血鬼」が好きなわけじゃなくて、「吸血鬼もの」が好きなのだが。ブラム・ストーカーの 『吸血鬼ドラキュラ』 と、マキャモンの 『奴らは渇いている』 のおかげかな?それと、キム・ニューマンの「ドラキュラ」の続編(『ドラキュラ紀元』『ドラキュラ戦記』『ドラキュラ崩御』・・・どれも絶版だなんて、絶句!)も忘れてはいけないだろう。


人間て、根本的に怖いものが好きらしい。怖いものは苦手という人も、実は自分で気が付かずにいるだけで、本当は好きかも。でも「ドラキュラ」などは、まず身近にいないという前提があるから、わくわくして読めるのだが、稲川淳二の怪談なんかは、自分の経験範囲内でリアルに想像できてしまうので、より怖い。というか、全然聞けない。聞いたらもう、トイレに行けなくなる。<意気地なし。。。(--;


ともあれ、ウィルソンの1作目は吸血鬼ものということなのだが、そのあとの<ナイトワールド>シリーズは、どんな化け物が出てくるのやら?とりあえず楽しみではある。