「サハラ」を観てしまった!

新作映画が目白押しの今週。なんか観に行こうということになって、私は「スターウォーズⅢ」でも良かったのだが、結局怖いもの見たさで 「サハラ」 になってしまった。原作はまだ読書中。なんとなく自殺行為のような気もしたが、怖い、怖いと言って目隠ししながらも、指の間から見ちゃうといったような感じで、禁断の扉を開けてしまった。


はっきり言いましょう。「3大面白くない映画」のひとつでしょうかね、これ。原作がどうのとか、主人公ダーク・ピットのイメージがどうのといったレベルじゃないです。これじゃ原作者が訴訟を起こすのも無理はない。


そもそも原作も、かなり大胆な設定ではあるのだけれど、脚本が悪いのか、キャスティングがまるでなってないのか、結構アクションシーンはあるのに、とっても退屈。何と言っても、やっぱりマシュー・マコノヒーはヒーローの器じゃないし。

マシュー・マコノヒーがヒーローに向いていない理由

  • 目の間(眉間?)がくぼんでいない顔なので、口をぽかんと開けていることが多い(トム・クルーズケビン・コスナーも同類。彼らは皆、蓄膿症っぽい)。→精悍なヒーローにあるまじき行為である。
  • 足が短い。というか胴が長い。→アクションヒーロー向きの体型ではない。
  • 動きにキレがない。トロくさい。→殺されていてもおかしくないのに、主人公なので死なないだけ。

まあ、あげればきりがないのだが、マコノヒー自ら、ぜひダーク・ピット役をやりたいと望んだそうで、シリーズ化されて人気のあるヒーローを演じようなんて、たいした度胸だ。アクション・ヒーローにしては足が短い(胴が長い)ってことに、気づいていないのだろうか?原作で人気のあるヒーローを演じるのは、ファンが厳しい目で観るから、かなり怖いことだと思うが、マコノヒーは自分がやれると勘違いしちゃったみたい。


この話には、ダーク・ピットのほかに、NUMA(国立海中海洋機関)のメンバーである、アル・ジョルディーノとルディ・ガンという人物が出てくるのだが、これが「おとぼけ3人組」といった感じで、気が抜ける。せめてダークだけでも精悍なヒーロータイプならいいのだが、残念ながら全員「おとぼけ」なので、困っちゃう。そういう映画なら、それはそれでいいのだが、これはダーク・ピットシリーズですよ。カッコつけるところは、カッコつけてくれないと。


アル・ジョルディーノ役は、なかなか面白いキャラではあったが、そこで笑いをとらなくてもいいんじゃないの?この場面てシリアスなんでしょ?という雰囲気。たしかに、原作もユーモアたっぷりではあるんだけど、ドタバタの笑いとは違う。それに、そういう場面展開を、マコノヒーが上手くこなしているとは思えない。いっそのことジョルディーノ役をダーク・ピットにしたほうが、まだましかも。


ダークの相手役(007のボンドガールみたいな立場)のエヴァは、ペネロペ・クロスが演じていたが、WHOの医師という役柄(原作とは違う)。メガネさえかければ、知的な医者に見えるのでは?という古典的な作り。彼女はあまりセクシーでもないし(角度によってはオバサンっぽい)、ましてや知的でもないので、ボンドガールのようなものを期待していた人には期待外れだろう。


とまあ、マシュー・マコノヒーのファンがいたら、ごめんね!という感じだけれど、幸いにも、この映画を観たせいで原作のイメージに支障が出るということはなさそう。それほどどうでもいい映画で、全くの別物。ストーリーもめちゃくちゃだし、ダーク・ピットシリーズじゃなくて、単発のお笑い映画だと思って観ればよい。マコノヒーも、あれはダーク・ピットではなく、マコノヒーなんだと思っていれば腹も立たない。


あえてカッコよかった人をあげれば、CIAの黒人の人かな。映画 「サイダーハウス・ルール」*1 で、リンゴ摘みをしていた季節労働者のボス役の人。