シュリンプ・クレオール

ニューオーリンズから帰ってから、ケイジャン料理を試したくて仕方がなかったのだが、「またあ〜?」と言われそうなので、なかなかそのチャンスがなかった。でも、今日の夕食は一人なので、かねてから用意しておいた材料で、シュリンプ・クレオール(風)を作ってみた。


クレオールとつくのだから、これはケイジャン料理ではなく、クレオール料理なのか・・・などと思いながら、見よう見真似。実はガンボ・スープと同じ材料を使用。オクラがあればガンボにしたのだが、あいにくオクラがなかったので、シュリンプ・クレオールとなった。



Cajun(ケイジャン)とはカナダ東部アカディア地方から、ミシシッピ川を下ってきたフランス系移民たちのことや、彼らが住んだ地域、彼らの料理、音楽などの総称です。場所でいうと現在のアメリカ南部ルイジアナ州ニューオリンズあたり。また、ルイジアナで生まれたスペイン・フランス系移民の子供たちをクレオールといいます。


ルイジアナに入植した移民たちは、母国の料理を再現するためになかなか手に入らないバター・ハーブ・スパイスなどと、ルイジアナ産の唐辛子など手に入る食材を組み合わせアレンジしオリジナルな料理を作り上げていきました。それが、ケイジャン料理。ちょっとワイルドな労働者の料理でもありました。


ルイジアナミシシッピ川の作った広大なデルタ地帯です。高温・多湿なこの地域は、開拓当時、病気の流行りやすい土地だったのです。ケイジャン料理がスパイシーでホットなのは、殺菌効果の高いスパイスやハーブを使うから。そうした環境などを背景にケイジャン料理は作られていきます。


移民の子供たちは、フォン・ルー・スパイス・ハーブを豊富に使い、イギリス、メキシコ、インディアン、アフリカなどの料理の要素を取り入れていきました。こうしたケイジャン料理を、クレオール料理といいます。ケイジャンクレオール料理は、ニューオリンズ料理、ルイジアナ料理とも呼ばれます。─(資料:bistoro Depot


上の説明では、ケイジャン料理とクレオール料理の違いがわからないけれど(写真入の記録を作るときに、詳しく調べる予定)、とにかく料理のほうは、試行錯誤の末、まあまあこんなもんでしょうという程度にはできあがった。何にせよ、ホットソースをたっぷりかけるのだから、細部の味にはこだわらない。誰に食べさせるわけでもないので、完璧に自分好み。おいしい〜。普段一人のときは、絶対に料理など作らないのだが、試作品はこういうときでないとできないからね。


たぶん、本物のシュリンプ・クレオールとはだいぶ違うのだろうと思うけど、どの店も味が違うし、これがそうだ!という確信がない。ともあれ、自分が気にいればいいやって感じ。トマトにエビにホットソース。これだけで、何をやってもおいしいのだし。思わず食べすぎ。おなかが苦しい〜。


そういえば、エミリー・リチャーズの『アイアン・レース』に、「小豆ご飯」という訳がたびたび出てきた。これは「レッドビーンズ&ライス」のことと思うが、「小豆ご飯」では、だいぶイメージが違う。お赤飯か?って感じでしょう。巻末にニューオーリンズについての説明などが載っているのだけど、もっと詳しく調べて訳してもらいたいなと思う。ニューオーリンズに行ってなくたって、これは「小豆ご飯」なんかではないだろうと思うのは間違いない。