総合英語(16)

今日のテキストは、「探偵小説」の成り立ちについてだった。最初の探偵小説は?とか、知っているようでも意外に知らなかったりするので、なかなか面白かった。テキストでは、さまざまな話題を取り上げているが、やはり文学関連は興味深い。のちのち参考にもなると思うので、その内容を書いておく。

サー・アーサー・コナン・ドイルが創作した、シャーロック・ホームズの話を、歴史上初の探偵小説と思っている人々がいるが、実は、エドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人』が最初の探偵小説である。これは1841年に出版され、1887年に出版されたシャーロック・ホームズ初の物語『緋色の研究』よりもずっと早かった。


ポーの創作した探偵の名はオーギュスト・デュパン。物語の舞台はフランスである。これは、当時フランスが私立探偵のいる唯一の国だったためである。


標準的な長さの(短編でない)探偵小説が出版されたのは、1856年になってからで、ウォーターズの『ある刑事の思い出』というものであった。これは、ウォーターズという実在の警察官の実話のように書かれているが、実は全くのフィクションであり、ウィリアム・ラッセルという作家が書いたものであった。


物語そのものは探偵小説ではないが、小説に登場した最初の架空の探偵は、チャールズ・ディケンズの小説『荒涼館』のバケット警部である。


すでに他のジャンルで有名だった作家による最初の探偵小説は、ウィルキー・コリンズの『月長石』で、この小説の探偵はカフ警部補といい、当時実在した有名な探偵フォリー警視がモデルとなっている。またウィルキー・コリンズは、小説『名無し』で、本の中では重要な人物ではないものの、最初の女性探偵を創作した。