「キング・アーサー」先行上映

昨日は、待ちに待った(「ロード・オブ・ザ・リング」や「ハリポタ」ほどじゃないが)「キング・アーサー」を観てきた。いつもなら紀伊国屋裏の新宿ピカデリーに行くのだが、今回は歌舞伎町のミラノ座へ。ここは「オーシャン・オブ・ファイヤー」の時にも、衣装が飾ってあったり、何かとイベントのあるところだし、椅子も広くて座り心地がいいのだ。

劇場で真っ先に目に付いたのが、聖剣「エクスカリバー」のペーパーナイフ。集めている他の剣も全てペーパーナイフなので、やはりこれはゲットしておかないと、「エクスカリバー」だけ貧弱なのはちょっとね、と思い、これは即購入。

内容のほうはと言えば、これからまだまだ観に行く人もいるだろうから、あんまり詳しくは言えないのだが、正直言って、え?という内容だったし、とにかくこれまでのアーサー王ものを大きく変えて作ってあるもので、アーサー王ファンとしては、ちょっと納得できないという感じ。正統派の「アーサー王物語」を期待していっては絶対にいけない。

一応、「アーサー王伝説」のもとになった話ということで、西暦300年あたりの設定になっているのだが(「アーサー王物語」が出来始めたのは、6世紀くらい)、だったら、円卓の騎士が出てくるのはおかしいし、そもそも円卓があること自体がおかしい。

なおかつ、私の好きなマーリンは、よりにもよって「闇の魔術師」ということで、アーサーと戦っていたりする!最後には協力関係が生まれるのだが、グウィネヴィアだって、もともとの話ではお姫さまなのに、ブリテン人のゲリラ軍だったりするのだから、めちゃくちゃな話だ。

あとは個人の好みの問題かもしれないが、配役が悪い。アーサー王というのは、強力なカリスマ性を持った人間だと思うから(だからアーサーのために!と言って戦うのだよ)、あんな役所広司みたいなアーサー王なんて、ダメダメ!ランスロットのほうが、数倍いい!

でも、そもそもランスロットはブ男と決まっているのだが、映画ではアーサーよりもいい男で、しかもジェフ・ゴールドブルムをちょっとさっぱりさせたみたいな顔つきで、目つきも鋭く、こちらのほうがよほどカリスマ性がある。役所広司のファンの人は、それはそれで、すごくいい!と思うかもしれないが。

グウィネヴィアもね、キーラ・ナイトレイなんだけど、彼女は角度によってものすごくきれいに見えて、ファンタジーのお姫様役にはいいんじゃないかと思うんだけど、この映画で暴れまくっているナイトレイには、あまり魅力を感じない。

女らしくすればいいってことではなくて、露出度の高いコスチュームで暴れるには、まだまだ色気が足りないってところだろうか。お決まりのランスロットとの色恋沙汰もなし。その部分は私はあまり好きではないから、そういう意味ではべつにいいんだけれど、どうみたって、この映画ではランスロットのほうがいいよ。

とにかく、あんなアーサー王に、誰が命を捧げるもんか!と思ってしまうような、ちょっとひ弱な感じのアーサー王なのだ。鎧兜も似合わない。そういえば、主役の名前さえ覚えていない。イメージは各個人の産物なので、誰に押し付けるものでもないけれど、こんなにかけ離れたイメージだった映画というのも珍しいかも。大好きなガウェインも、ガラハッドも、トリスタンも、全然違う!

ランスロットとトリスタンは女性に人気が出るだろうと書かれていたが、ランスロットはいいとしても、トリスタンなど、ただの浮浪者って感じ。ヴィゴのアラゴルン的雰囲気を出そうとしたのかもしれないが、残念ながらハズレでしょう。汚すぎ!

アラゴルンついでに言うと、全編「ロード・オブ・ザ・リング」の真似という感じがしてしょうがなかった。音楽も似てるし、太鼓の音とともにやってくるサクソン人はサウロン軍だし、戦闘シーンの撮り方なども、似ている。けれども、明らかに似て非なるものだ。そう思うと、「ロード・オブ・ザ・リング」のすごさが、改めてわかるというものだ。

ともかく、あなたの知っている「アーサー王物語」を思い浮かべて観に行っては絶対にダメです!何も知らず、何のイメージも持たずに見るのが得策。私個人は、何はともあれ「エクスカリバー」が入手できて良かったなと。来月は、実写版「サンダー・バード」かな?(^^;

で、9月には、どうしても「ヴァン・ヘルシング」(日本では9月4日公開。公式サイトはこちら)を観たいと思っているのだが、こんなホラー映画、誰か一緒に観に行ってくれるかなぁ・・・?あとは、アーヴィング原作の「The Door in the Floor」か。でも、これはピカデリーやミラノ座ではやりそうにないかも。