「アメリカ南部映画祭」(1)

さて今日から6回の予定で、「アメリカ南部映画祭」が開催されるので(詳細はこちら)、早速参加してきた。今回はジェームズ・バーダマン先生の担当。最初に先生の解説を聞き、それから観たので、複雑な内容だったが、わかりやすかった。

映画終了後には、青山先生、村田先生のお話や、生徒の感想発表もあり、単なる映画鑑賞ということだけでなく、しっかり勉強にもなる有意義な催しで、今日は授業を二つ受けたような感じ。

第1回目は、「Amistad」(邦題「アミスタッド」1998年、邦訳『アミスタッド』)。
監督:スティーブン・スピルバーグ、出演:モーガン・フリーマンナイジェル・ホーソーンアンソニー・ホプキンスマシュー・マコノヒー

1839年に実際にあった事件にもとづいた作品。スペイン人に奴隷として買われて「アミスタッド号」で輸送されていた黒人たちが反乱をおこし、船を乗っ取る。それを捕まえたのはアメリカの沿岸警備隊。黒人たちは殺人罪に問われ、アメリカで法廷に立つこととなり、注視の的になる。

アメリカの南北戦争奴隷解放には、不勉強ゆえ、いろいろわからないことがあるのだけれど、これはこれで「正義が勝つ」といった内容で、奴隷解放などの問題うんぬん以前の、人間の姿として感動できる内容だった。

しかし史実はどうあれ、黒人をなぜ「奴隷」にしようなどと思うのだろう?白人よりも黒人のほうが美しいし、力的にも勝っていると思う。黒人たちと並んだ白人の、なんとみっともないこと。これは単純に美的な感覚で言っているだけのことだが、白人が一番偉いだなんて、一体誰が考え出したのか?アフリカから勝手にさらってくるというのも、どこかの国の「拉致」と一緒で、非常に野蛮な行為だ。

それにしても、アンソニー・ホプキンスはすごいと思った。特に好きな俳優ではないのだが、ホプキンスが出ると、途端に映画に重厚さが増すといった感じ。モーガン・フリーマンも重鎮だと思うが、ホプキンスの前ではかすんでしまう。

個人的なことを言えば、黒人側の一見冴えない弁護士が、マシュー・マコノヒーかな?違うのかな?とずっと考えていて、マコノヒーだとわかっていたら、もう少し落ち着いて観られたかも、と。彼は、わりにカッコイイ役どころが多いので、こういう役は予想外だった。

●次回は、ヴィム・ヴェンダース監督の「The Soul of a Man」(2003年)。日本ではまだ未公開で、今年の9月に公開される予定。