世の中には知らずにいることがたくさんあるという話

世の中には、とても有名なことなのに全く知らずにいるということがたくさんあります。

例えば、5月12日の銀座シグナスでのパーティーライブでお会いした今岡清さんのこと。

金髪のロングヘアに着物という出で立ちはかなりのインパクトがあり、一体誰だろう?と興味津々でいたのだけれど、その後真っ白な三つ揃いのスーツに着替えられた時にはまたまた驚かされました。

その日の主役の四条麻美さんから、「ジャズシンガーのイマオカさん」と紹介され、名刺の交換もさせていただいたのだけれど、今日の今日まであの膨大な『グインサーガ』シリーズを書いた栗本薫中島梓)さんのご主人であったことを全く知りませんでした。しかも、私の愛読書であった「SFマガジン」の元編集長だというのだから驚きも半端じゃない。

なんで皆その場で教えてくれなかったのだろう!と思ったけれど、ミュージシャンの集いの中で文学系の話にはならないだろうし、ご本人もジャズシンガーとして出席されているわけだから、本の話は念頭にない・・・という感じでしょうね。そもそも、私の音楽の根底に文学があるということを知っている人がいたかどうか。

でも本好きの私としては、「ジャズシンガーのイマオカさん」というよりも(それはそれで十分インパクトがあるけれど)、SFマガジンの元編集長で栗本薫さんのご主人という情報は、ディープ・インパクトですよ。

当日、トップバッターで緊張しながら「Georgia On My Mind」を歌い終えた私に、真っ先に「良かった!」と声をかけてくださったのがイマオカさんでした。「ジャズシンガーのイマオカさん」からの言葉としてももちろん嬉しかったけれど、「SFマガジンの元編集長」の今岡清さんにお褒めの言葉を頂いたということに、いたく感激している今です。

今現在はミュージシャンですから音楽の話もいいですが、今度お会いする時には是非ともSFマガジンのお話をお聞きしたいと密かに楽しみにしている私なのです。