白昼堂々

『白昼堂々』は、長野まゆみの凛一シリーズ4部作の1作目だ。まさに、白昼堂々のホモ話だが、この人の本は、そういう話でも全然嫌味がないのが不思議。書いているのが女性だからなのか?あるいは、ここに書いてあるような絵のような美しい話は、実際にはないからか?


例えば、映画「ブロークバック・マウンテン」(原作:E・アニー・プルー)もホモ話だが、私は女だからそれが美しい愛だと思えたが、全くゲイでない男性には、やはり嫌だという意識があるようだ。同様に長野まゆみの本も、やはり嫌だという意識は持たれるようで、SFやファンタジーならまだしも、このシリーズのようにごく普通の世界を描いているのにホモ話というのは、男性には受け入れられないところがあるらしい。


では、ホモである凛一が好きという女の子はどうなんだろう?凛一という少年に、何を見ているのだろう?単に美しい少年だから好きなのか?いくら美しくお行儀がよく、賢い少年とはいえ、異性であったら別の感情を持つのではないだろうか?例えば、男ならもっと逞しいほうがいいとか、守ってほしいとか・・・。


そのあたり、私は凛一のファンではないからよくわからないのだが、とにかくこの少年がとんでもなく虚弱なのだ。冬のさなかに雨にでも濡れようものなら、すぐに倒れて入院である。美人薄命ならぬ、美少年薄命か。虚弱であることが魅力という場合もあるが、こう何冊も虚弱な少年の話を読んでいると、自分まで虚弱体質になったようで、どうにも力が湧いて来ない。


どうも私は美少年には全く興味がないので、こんな虚弱な奴は嫌だ!と思ってしまって、なんとも言いようのない気持ちにとらわれるのだが、凛一君素敵!と思う人は大勢いるようだ。そういうのは、大人の男を好きになれない、一種のコンプレックスではないのかな?などと思ったりもするが・・・。


ちなみに、ロリータ・コンプレックスとは、普通おじさんが幼い少女を好きな場合に使われると思われているようだが、実は、おじさんしか好きになれない少女のコンプレックスである。ジョンベネ殺害事件の容疑者は、ロリータ・コンプレックスではなく、単なる変態。