『クロイヌ家具店』とテレビ

大海 赫(おおうみ・あかし)の『クロイヌ家具店』を読んだ。児童向けのファンタジーだが、ちょっと怖い感じもする。子どもがさらわれて、椅子にされてしまうなんてところは、なかなか不気味だ。宮沢賢治の『注文の多い料理店』のようなイメージもある。


挿絵も本人が描いているので、美大出身の作家なのかと思ったら、なんと早稲田大学の文学部だった。年齢は近藤先生(「ユダヤ人と反ユダヤ主義」)と同じみたいだから、学部は違うけれど、同窓生かもしれない。


さて、今日はテレビが来た!なんて言うと、いつの時代の話?と言われそうだが、とにかく昨日買ったテレビが来たのだ。私はあまりテレビを観ないので、それほど感激するわけでもないが、アポロ13号はテレビがないと生きて行けないくらいだから、新しいテレビは嬉しくて仕方がないだろう。


たしかに、画面が明るくてきれいなのはいい。ビデオやDVDもきれいに見えるからいい。しかし、テレビを取り替えるだけで、丸1日何やかやとかかってしまったのは予想外。それに最新モデルのテレビで、新機能がたくさんついているから、電源を入れればすぐに観れるというわけでもないのが困りもの。マシンに疎い私にとっては、テレビも簡単に観れない時代になってしまった。


父もテレビが好きだった。新聞のテレビ欄で、朝から晩までの観たい番組に印をつけ、その通りに観る。チャンネル権は絶対的に父親が独占。本や雑誌を読んでいる、あるいは居眠りをしているから、チャンネルを変えてもいいだろうと思うと、「それを聞いてるんだ!」と怒った。子供心に、マジでぇ〜?と思ったものだ。


しかし、父は本当に聞いていたのだ。だから、何でも知っていた。新しいことでも何でも、聞けばすぐに答えてくれた。野球でもラグビーでも競馬でもゴルフでも、はたまた芸能関係でもニュースでも、とにかく何でも知っていた。とにかく全ての放送が終わるまで、テレビを観ていた。それこそ、寝る間を惜しんで。