カズオ・イシグロ 『わたしを離さないで』

カズオ・イシグロ『Never Let Me Go』 の翻訳 『わたしを離さないで』 が出ていることを知った。調べてみたらすでに図書館にもあったから、とっくの昔に出ていたんだろうが(2006年4月22日出版)、3月下旬に原書がマスマーケット版になったのを待って買ったばかりだったから、翻訳が出るのが妙に早いような気がした。


『日の名残り』 同様、この翻訳も土屋政雄さんなので、邦訳のほうもぜひ読みたいと思って図書館に予約をしたのだけれど、その前に原書を読んでおかなきゃ・・・と思いつつ、820ページのアーヴィングをどうするか。スペイン語まじりのマッカーシーをどうするか。頭の痛いところだ。


数週間後にはイシグロの邦訳が準備されるだろうから、とりあえずはイシグロからいくとしようかと。



ところで、またトンデモ本を読んだのだが、この間読んだトンデモ本のネタ本にもなっているもので、荒唐無稽さも半端じゃない。600ページ近くもあるので、いい加減しつこいなという感じもなきにしもあらずだけれど、もしかして、『ダ・ヴィンチ・コード』のダン・ブラウンは、この本をヒントにしたのでは?という気もした。ネタ本とまではいかないが、読んでいる確立は高そう。


ブッシュ(パパ)が爬虫類人だとか、メキシコのミゲル大統領もイグアナに変身したとかというのは面白かったが、あの人もこの人も、歴史上の重要な人物は皆爬虫類人で、リンカーンケネディは、彼らの命令に背いたから暗殺されたとかいう話になると、もうどうでもよくなってきた。


例の「シオン議定書」も、レプタイル・アーリアンによって、「ユダヤ」のものであるかのように見せかけて作られたものだとのこと。たしかに「シオン議定書」は、どこから出てきたのか、本当は誰が作ったのかよくわかっていないのだが、なるほど、爬虫類人が作ったのか!(爆


著者はイギリス人なので、英王室が爬虫類人の血流である証拠だとか、ダイアナ妃はそうした爬虫類人に殺されたとか、その方面は結構書かれているのだが、世界的に陰謀を企むブラザー・フッドなる爬虫類人の秘密組織というからには、日本や北朝鮮など、こちらのほうでの証拠もあげてもらいたいものだ。


火星からやってきたレプタイル・アーリアンは、白人なんだそうだ(白人に変身していると言うべきか?)。だから白人がもっとも優秀であるかのように書かれている。というか、その白人である爬虫類人たちが人類の上に立って操作しているのだから、この地球上では一番偉いというわけだ。さすが、イギリス人が考えそうなことだ。


あんまりうだうだと、証拠にも何にもならないことばかりが書いてあるので、最後にはうんざりした。ミゲルがイグアナになったあたりでやめておけばよかったものを!