大久保の焼肉店

長野まゆみの<少年万華鏡>4作を読み終える。最初の『三日月少年漂流記』は面白かったが、そのあとは、他の本として出ているものも収録されていて(例えば『銀木犀』とか)、ああ、そうなのかという感じ。


どこが舞台なのかということをあまり感じさせないこの作家にしては、日本色の強い作品群だったが、月に関する描写はきれいで、月の描写をコレクションしている私としては、コレクションが増えて嬉しい。


猫とか夢とか、『不思議の国のアリス』に通じるところもあり、とにかくいろんな作家が組み合わさったイメージだが、賢治のようでいて賢治ではなく、アリスのようであって、アリスではなくみたいな、宮沢賢治不思議の国のアリスが合体したら、それはもう賢治でもアリスでもないから、これはこれでまた、独自の世界とも言えるのだろうと思う。


さて、今日はどん底で、アルゼンチンにサッカー留学をしていた友人に会った。その足で、学さんが大久保に焼肉店をオープンしたというので、一緒に挨拶に行く。二人とも、「学さん、ブラジルでやるんじゃなかったんですか?」と半信半疑だったが、あの顔でちゃんと店に出ていたから、本当だったんだ!という感じ。


ほんの挨拶のつもりだったのに、ボトルとかも入ってしまい、もう食べるというより、はなから飲みに来たと受け取られているようで、やっぱり学さんの店だよ!と納得した次第。