イギリス文学

図書館ウェブのシステムが不調で、このところネットで予約ができなかったのだが、四谷、中央の2館から連絡があり、原因は不明だが直ったとのこと。毎回きちんと期日を守って返却しているのに、「この利用者番号は使えません」だなんて、びっくり仰天ものだった。原因不明では腑に落ちないが、とりあえず予約できるようになったので一安心。


そこで、ここ数日予約をしようと奮闘していた本を2冊と、ダン・ブラウンの1作目『天使と悪魔(上・下)』を予約。ダン・ブラウン以外の2冊は、ひさびさの英文学。ウィリアム・サマセット・モーム『回転木馬』 と、グレアム・グリーン『事件の核心』


グリーンの『事件の核心』は1948年に全集で出されたものを知っているが、今回早川のepi文庫に入った。モームの『回転木馬』は原書で持っているのだが、翻訳されたものは初めて。というか、モームほどの文豪であれば、全作品が訳されていて当然だろうと思うので、単に私が知らなかっただけだろう。ただし、あまり話題に上る作品ではないので、書店でも見たことがなかった。今回の本も昨年11月に出版されたものだし。


モームにしてもグリーンにしても、どちらも500ページ前後の大部の書。かなり読み応えがありそう。しかも「文章の職人」と言われたモームのほうは、個人的に純文学では一番好きと言っても過言ではない作家だし、とても楽しみ。


だったら、借りずに自分で買えばいいのに・・・とも思うのだが、この本の表紙の写真が、私が抱いているモームのイメージと合わないので躊躇した。モームの写真は年を取ってからのほうが好き。


それと、翻訳が中野好夫さんではないのも気になるところ。あちこちで新訳が出ている状況を考えれば、モームだっていつまでも中野さんの翻訳というわけにもいかないだろうけど、私の中では「オースター=柴田元幸」と同様、「モーム中野好夫」というのがすっかり定着してしまっているので、やっぱり気になる。