『ダ・ヴィンチ・コード』

読書中のフリッツ・ライバーの『魔の都の二剣士』を中断して(中編集なので、中断しても差し支えない)、とりあえず急いで読まなくてはならない『ダ・ヴィンチ・コード』を読み始めた。これは評判に違わず面白い。というか、非常にテンポがいいので、淀みなく進む。


テレビでダ・ヴィンチの特集をやっていたりして、すでになんとなく内容が見えているのが残念なのだが、ここに書かれているモチーフは、私には結構馴染みのあることなので、学術的なことや専門的なことが出てきても、特に引っかかるようなこともなく、読み進められる。


人間て、やっぱりこういう謎とか秘密が好きなんだよねと思う。特に史実と組み合わせて書かれていると、「え、ほんと!?」という気になる。ただし、内容を全く知らずに読んだら、例によって「神=宇宙人」という秘密だろうか?などと、違った方向に期待を抱いたかも。(^^;


ここに出てくるシオン修道会は、「アラブとイスラエル」の授業にも出てきた記憶があるのだが(一般にシオンはユダヤを意味する)、近藤先生は、ユダヤに関係があるとおっしゃったか、全く関係がないとおっしゃったか、すっかり忘れてしまっているのだが、ともあれ、ユダヤ人は勤勉で真面目な民族で、世に渦巻いている陰謀説などは、根も葉もない話だということだけは覚えている。


ちなみに、この『ダ・ヴィンチ・コード』に沿った「ダ・ヴィンチ・コード・ツアー」というのが人気だったそうだが、そこまで夢中にはなれないだろうなあ。私にとっては、特に真新しい謎じゃないし。といっても、謎は謎のままで、真実を知っているわけではない。また、この本の結末も知っているわけではないから、どういう結末になるのか、下巻も楽しみではある。


ダン・ブラウンの作品は、これを読む前に、新作『デセプション・ポイント』を読んでいる。こちらもそれなりに面白かったが(シドニー・シェルダンっぽかった)、『ダ・ヴィンチ・コード』ほどではなかった。やはり『ダ・ヴィンチ・コード』の、「謎解き」が人気の秘密かと。