「青の聖騎士伝説」と「ベアトリス・ベイリー」

ラグビーうんぬんの間に、日本人の書いた剣と魔法のファンタジー<青の聖騎士伝説>シリーズを2冊と、<ベアトリス・ベイリー>シリーズを1冊読んだ。


青騎士>のほうは、特に子供向けではないはずだが、読んでみると内容はエミリー・ロッダの<ローワン>シリーズ程度のもの。幼い。挿絵もマンガだし、重みがない。作者が日本人だからというより、「これはゲームか!」という感じで、本という感じがしなかった。


クレイ・ジュダというヒーローが、シドという伝説の剣を探しに行くのだが、それがあまりにもあっけなく手に入ってしまうのにがっかり。結局それを持って、モンスターを倒していくという話で、それがゲームのステージ1、ステージ2みたいな感じ。「ファイターレベル16」なんていう記述も、ゲームならではの感じがして、どうもね。あんまり中身がない話だった。


それと、問題なのがやはり日本語。「っ!」「ったく!ぁにやってんだよ!」なんてのは、話し言葉として「あり」なんだろうが、文字として読むのは辛いし、そこですっかり嫌になってしまう。それにしても、2冊もよく読んだものだと我ながら感心してしまう。


<ベアトリス>のほうは、たぶん原書はとても楽しいのではないかと思えるが、やはり日本語が幼い。幼いというのは、訳が間違っているとかいうことではなく、表現が幼いというべきか?


もともと魔法使いである女の子の冒険ものだが、刃傷沙汰があるわけでもなく、あくまでも魔法で解決するところが、他の剣と魔法ものとはちょっと違うところで、だからこそ小さな子にも読めるように、表現を幼くしたのだろうと思うのだが、逆にそこが残念なところ。だから、原書で読んだほうが、自分なりの言葉で入ってくるのでは?と思う。


ハリー・ポッター」には内容的には全然似ていないが、全体としてかなり意識しているのではないかと思える。