『何かが道をやってくる』

レイ・ブラッドベリの『何かが道をやってくる』を予定通り読了。実にハロウィーンっぽいと思うものの、これって実は10月24日くらいの話で、ハロウィーンの日まで至っていないのだ。だから、ハロウィーンの話ではないってことである。


それにしても、これを最初に読んだのは、物語の主人公と同じくらいの年齢の時で、非常にわくわくして、何か秘密の世界を知ったような気がしたものだが、今、年を重ねて改めて読むと、感じ方が大きく違うと思った。


すでに、あの少年たちのような感覚にはなれない自分がいる。もう、あの頃は二度と戻ってはこないのだな・・・などと、トルーマン・カポーティ的感傷に浸ってしまうが、事実その通りなのだから仕方がない。


しかし、過去のある一瞬、一瞬は非常に鮮明に記憶しており、その中のひとつに、10月のこの時期の不思議な感覚がある。それがブラッドベリの作品に通じるところがあるから、感じ方は違っても、なぜか懐かしい気がするのだ。


当時、ブラッドベリ江戸川乱歩を夢中で読んでいたが、今読んでみると、結構怖い話ではないか!と思う。子どもって、案外怖い話が好きなのだ。ブラッドベリと乱歩は非常に似ているところがあって、その二つに夢中になっていたというのも、我ながら納得できることではある。


昔は、日本ではハロウィーン・パーティーなんかやってなかったから、「ハロウィーンって一体どんなんだろう?」と、夢見ていたものだけど、今だって、本当の意味を知っている人はどれくらいいるだろうかと思う。


ちなみに、知っている人は当然知っているとは思うが、ハロウィーンとは万聖節前夜のこと。で、万聖節とは「All Saints' Day」で、11月1日、カトリック教会で諸聖人を祝う日(プロテスタントは関係ないのか?)。じゃ、ちょっと前に買ったアン・ライス『The Feast of All Saints』 は、万聖節のお祭りの話かしらん?などと。。。早速、明日11月1日から読みたいとは思ったものの、またまた図書館でたくさん借りているので、これも叶わず。実際には、南北戦争前のルイジアナでの黒人奴隷の話らしいが、中身はどうあれ、読みたいと思った時に読まないと、こんな大部の書はなかなか読めないよと思う。