ニューオリンズ→ニューヨーク

<第六日目>

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正味2時間半くらい(時差1時間)
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いよいよニューオーリンズとはお別れである。ホテルの朝食(グリッツ)も食べ修め。結局、朝食は他の店には行かなかったので、バーボン・カフェのグリッツしか食べていないことになる。残念。せめてブレナンズくらいには行ってみたかった。


融通が利かないとむかついていたラマダ・ホテルも、今にして思えばとても便利な立地条件で、ちょっと疲れるとホテルに帰って一休みできるという非常にコンビニエントなホテルであった。サービスも特に不足はなく、かといって過剰でもなく、夜中もうるさいというのを除けば、プールサイドでタバコを吸うのもおつなものだと思えるまでになっていた。毎日疲れていたので、騒音もさほど気にならずに熟睡できたし。


オプショナル・ツアーのガイドをしてくれた、まゆみさんとビクターさんともお別れだ。空港での別れ際に、昨日セントルイス大聖堂で買った、マリア様のカードをプレゼントした。まゆみさんは、実はジャズ・ミュージシャンである。実家は新宿だとか。だったら、ぜひとも新宿のジャズフェスティバルに来てくださいと言って、お別れした。


ニューヨークまでの飛行機で、隣に座っていたラテン系の男の子がペーパーバックを読んでいたので、またまた気になって、何を読んでいるのか探ってみたところ、トム・クランシーの本だった。なるほどね。


ニューアーク空港は、ニューヨークに3つある空港の中でも、一番遠い(ミッドタウンを基準にして)。旅行社のガイドが迎えに来てくれたが、ニューオーリンズに比べたら、車の数が異常に多い。しかも、ニューオーリンズより暑いってどういうこと?数日前までは涼しかったとのことだが、ハリケーンくずれの熱帯性低気圧によるフェーン現象かも。


それにしても、ニューヨークは何という街だろう!たぶん、初めてのアメリカがニューヨークであったら、きっとエキサイティングだ!と思えたのだろうが、日本でもビルの谷間に住んでいる私でも、あの人の多さ、道路の汚さ、車の多さには閉口した。新宿が閑静な住宅街に思えるほど。それに、とにかく暑い。ニューオーリンズはまだ緑が多いので、暑くても救われる気がしたが、ニューヨークは、どこにも逃げ場がない。この暑さは計算外だったのだが。


そして、ペンシルバニア・ホテル。これがすぐにも逃げ出したくなるような、古くて汚いホテルだった。しかし、ボストンに行くときの集合場所(早朝)がここなので、自らここを選んでしまったのだから、誰にも文句は言えない。早く日本に帰りたい!こんなところ嫌だ!と心の中で叫んでいたのだが、口に出したところで仕方がない。疲れてはいるのだが、こんなホテルにいるのは真っ平ごめんという感じで、エンパイア・ステートビルを目指したのだった。


はっきり言って、エンパイア・ステートビルは、ちょっと離れたところから眺めるものだ。中は展望台まで長蛇の列。それでもまだ少ないほうだったのかも。空気も汚いから、高いところから眺めても、景色がぼんやりとしている。新宿あたりもそうだけど、けして美しい眺めではない。一面のビル、ビル、ビルである。たまたま昼間ということもあって、暑いし、人は多いし、とても感激するどころではない。


ところで、上に行くまえに写真を撮られ、降りてきたところで、$15で買わせられるのだが、どこでも同じようなことをやっているんだなと。実は、ニューオーリンズでナッチェス号に乗ったときに、それを買わせられたのだ。そちらは$20だったが、まだ船に乗っていないのに、いつの間にか外輪の前と船内と、ナッチェス号をバックにした写真が4カットできあがっており、その手際のよさに、思わず買ってしまった。でも、今度はだまされないぞ!


さらに、これを観ればニューヨークのことが一発でわかるよ!みたいな「スカイライド」というのを観た。ディズニー・ランドのニセ宇宙船のような、椅子がガタゴト揺れるやつだ。ここで特筆すべきは、そのナレーションをしていたのがケビン・ベーコンだってことくらいか。しっかり眼鏡をかけて観たのに、ピントはずれてるし、ひどい出来であった。合わせて$36。暴利だ。


飛行機の中でサンドイッチを1個食べたのだが、いい加減お腹が空いたので、近くのピザ屋に入ってみた。そもそもニューヨークでレストランに入ろうなんて気はさらさらなかったし。しかし、ここでもがっかり。ニューオーリンズのピザ&ダイキリバーが、死ぬほど恋しくなった。空港に迎えに来たガイドの人が、「ニューヨークにおいしいものはありません。塩分控えめとかで、味もありません」と言っていたので、そうか、こんなものなのかとしぶしぶ納得したものの、どうせまずいだろうという予測が早くもあたってしまい、がっくり。


ともあれ、海外ではミネラル・ウォーターを買うのは必須なので、酒屋で水とビールを購入し、さらにリトル・コーリアの韓国デリの店で、食べ物をテイクアウトしたはいいが、ダニでもいそうなホテルの部屋で、食べ物を食べるのは非常にやな感じ。ああ、失敗した・・・と思う間もなく、あまりにまずいので、食欲も失せた。まずかったとはいえ、さっきピザを食べておいてよかった。


コリアン・タウンでは、ハングル語と日本語が並んで表記されていたりして、日本食もあるんだろうか?という錯覚にとらわれるが、騙されてはいけない。日本食などない。日本の博多人形みたいなものが、韓国のおみやげとして売っていたりもする、例の奇妙な世界だ。


暑いよぅ、汚いよぅ、まずいよぅ・・・で、ニューヨークの夜は更けた。ホテルの部屋が禁煙でなかったことだけが、唯一の救い。でも、早く日本に帰りたい。アメリカに来て、早く帰りたいと思ったのは、ニューヨークだけ。私って、やっぱりリゾート地でないとダメみたいよ。ニューヨークには何の魅力も感じない。せめてニューヨークのあとにニューオーリンズだったら、まだ良かったのかも。


ニューオーリンズのバーボン・ストリートなんかも、けしてきれいとは言いがたいが、それでも風情はあった。それに、ニューオーリンズには警官や消防士がたくさんいて、酔っ払いだらけの街を守っているのだが、それが結構カッコよかったりする。消防士とか騎馬警官とか、制服フェチの私には、とっても魅力的だった。とりあえず、そんな夢でも見なきゃ、こんなところじゃ眠れないぞ!


※13119歩