バーティミアス

もう月末だしと思い、お風呂でダラダラ読んでいた『The Amulet of Samarkand (Bartimaeus Trilogy, 1)』を読了させた。Amazonのレビューには、すごく面白いとあるけれど、私は好きじゃなかった。とにかく終わり方が気にいらない。


私はよくロバート・R・マキャモンの作品を読んで、「マキャモンてほんとにいい人なんだなあ」と書いているが、「バーティミアス」の場合はその反対で、「この作家の性格って、もしかして悪い?」と思ってしまった。


話の内容は、まぎれもなく善と悪の戦いと言ってもいいと思うのだが、完璧に勧善懲悪というわけでもないし、主人公のナサニエルなどまだ12歳のくせに、誰に言われたわけでもなく、役人におべっかを使うなんてのは、ちょっといただけない。


そりゃ、大魔法使いをやっつけたことを自慢したい気持ちもわからないわけじゃないが、それをやっちゃうところが子どもだなと。もちろん、そもそも子どもの話ではあるんだけど、「指輪」や「ドラゴンランス」に比べると、やっぱり幼い感じ。あとは、ドタバタも好きじゃないから、全体の雰囲気も気にいらなかった。


主人公のナサニエルと書いたが、ナサニエルに召喚されたジンであるバーティミアスも主人公だ。この二人(というか何と言うか)の話が交互に語られている。舞台は現代のロンドンだが、魔術師が社会を支配しているという設定。


バーティミアスのユーモアも、いかにもイギリスだなあという感じ。ほら、ここは笑うところですよ、とご丁寧にも教えているような、そんなわざとらしさを感じる。それに、注釈をあんなにたくさん書くなんて、もともとの文章の組み立てが悪いんじゃないの?という感じだ。<これって、「文学刑事サーズデイ・ネクスト」にも言えるのだが、あちらはまだその効果が有効だと感じる。いかにもイギリスというのは同じだが。


というわけで、長々とかかって読了したはいいけど、個人的には面白くなかった。ちなみに、『文学刑事サーズデイ・ネクスト2』も途中でやめた。ドタバタのイギリスギャグがうっとうしかったため。