マキャモンの狼男

あ”ーっ!ダメダメいけません!と思いつつ、またしてもマキャモンに手を伸ばしてしまった。マラマッドで苦労しているので(マラマッドを読む上での知識を得るために、それに付随したノンフィクションを読むのが面倒)、その他は読みたいものを読めばいいのよ!


というわけで、 『狼の時 (上)』*1 を読み始めたのだが、これが「細菌に冒され、脳の中の野性が目覚め、肉体までもが変容する人狼。英国軍少佐ガラティンは人狼だった! ナチスの陰謀に異能の狼男が挑む」といった内容。 『奴らは渇いている』 は吸血鬼だったが、今度はついに狼男が出たか!という感じ。あとは人造人間か。DNA操作の話とか、今後あり得るかも。でも「脱ホラー宣言」をしてしまったし、どうなんでしょう? ※画像は原書 『The Wolf's Hour』*2


これまで読んだものは、ほとんどアメリカが舞台だったのだが、今度はガラリと変わって、ヨーロッパとかロシアが舞台。そういう意味では珍しい作品と言える。ヒトラーも登場するし、もしかしてDMXのみのやん好みかも。


先日読み終えた 『スティンガー』*3 もそうだったのだが、かなり導入部分が長い。それまでの作品(初期の)と比較すると、いきなり話が展開するのではなく、周囲から徐々に固めていく感じだ。このあたりから、最新刊 『魔女は夜ささやく』*4 のような書き方に繋がってくるのかなと思った。私は単純だから、初期の作品のほうがストレートで好きだと思うが、それはそれ、これはこれという感じ。


マキャモンをどんどん読むのは楽しいのだが、作品が残り少なくなってくるのが寂しい。まだ新しい本は出ないのかなあ?ていうか、『魔女・・・』は文庫にならないんだろうか?文庫になったら、コレクションに加えるために買おうと思っているのに。