ボロミアの朗読CD

マキャモンの『スティンガー』を読み終える。かなり気持ちの悪い宇宙人の描写もあったが、最後はすがすがしく終わっている。映画の「インディペンデンス・デイ」を思わせる、自己犠牲の精神に涙するって感じだが、内容説明にあるように、「怖くて面白くてハラハラドキドキさせて、カッコよく泣かせる」というのがぴったり。巻末の解説には、こう書いてあった。


「マキャモンは、人間のうちなる善を信じている。「<悪い人>っていうのは、たんに救いの手立てが見つからないだけなんだ。たぶんこんな考え方はナイーブなんだろうけど、でもロマンティックじゃないか、そう思いたいね」とは彼の弁」


マキャモンって、やっぱりいい人なんだ!ちなみに、リックとコディは引き分け。どちらも立派な男になるだろうなと予感させて、幕が閉じる。反面、こういう何かを「命がけで守る」男ってなかなかいないよね、とため息も出る。たとえ些細なことでも、目の前で尻尾まかれた日には、その人のことは死ぬまで尊敬できない。むしろ人間として軽蔑する。


でも、本はとにかく面白かった。マキャモンは「おあずけ」のつもりだったけど、こうなったら読みたいだけ読んじゃおう!なんて。。。(^^;


ところで、ショーン・ビーン(映画「ロード・オブ・ザ・リング」のボロミア役)が朗読しているオーディオブック『King Arthur and the Knights of the Round Table』を買ってみた。以前からどうしようかと迷っていたのだが、「LOTR」のDVDの特典映像を観ていて、なかなかいい声だなと思ったため、思い切って購入。中身も「アーサー王と円卓の騎士」の話だし、ボロミアの朗読も素敵。


ヴィゴ・モーテンセンの朗読なんてのも聴いてみたいけど、ヴィゴの声は鼻にかかった声だし、特徴がありすぎて朗読には向かないかも。ショーン・ビーンの声は、すっきりしていて聞きやすい。個人的には、たとえ朗読向きじゃなくても、ヴィゴに耳元で囁いて欲しいけど。