久々にBOOOK・OFF

うちの近くのBOOK・OFFは、マンガとかCDのコーナーが大きく、あまり文学の品揃えが良くない。特に外国文学は疎外されているという感じ。それでも今日は、E.L.ドクトロウの『ラグタイム』(絶版)の文庫を105円で見つけたので、とりあえず収穫あり。


この本は、邦訳はもう絶版なので、読むなら原書を買うしかないかと思っていたもの。ドクトロウは青山先生の授業でもやったが、特に好みというわけではない。でも、この『ラグタイム』は有名な本なので、一応読んでおくべきかと。


マキャモンの『ブルー・ワールド』(短編集なので、ちょこちょこ読んでいた)も、最後の表題作の「ブルー・ワールド」(中編)に入り、もう少しで読み終える。その代わり、ジェイムス・パタースンの『When The Wind Blows』が全然進まない。<パタースンには珍しく、導入部が面白くない。ファンタジー系に走ったせいか?


なんて言いながら、またスティーヴン・キングの『Dreamcatcher』も読むつもりでいる。キングはオタクで嫌になっちゃうなあと思いながらも、持っている本は片付けてしまおうという魂胆。


ところで、マキャモンの短編を読んでいて思ったのだが、マキャモンは自分でも言っているように、長編作家だと思う。短編は、たしかにホラーとしては面白く、恐怖そのものが描かれているものの、マキャモンの持ち味である善なるものが描かれていない。そういう意味では、「夜はグリーン・ファルコンを呼ぶ」は、唯一善なるものが描かれていたと言えるだろう。


私は、マキャモンのそうした善なる部分が好きだから、やはり長編でないと、と思う。短編集の中の「ブルー・ワールド」は、普通の文庫本1冊ほどの長さがあるので、長編と言ってもいいくらいの中編である。なので、内心ほっとしているところ。


いずれにしても、読み手(私のこと)も長編が好み。今年は今までに買ったアメリカの作家の本を片付けようと思い、シオドア・スタージョン、デビッド・セダリス、スティーヴン・ミルハウザースチュアート・ダイベックほか、アメリカ作家の短編集をあれこれ並べてみたものの、どうも読む気がしない。


なんでこんなに短編集ばかり買ってしまったかなと思うが、それを買った時には短編小説について勉強していたのだから、それなりに理由はあったのだが、どう考えても、やっぱり私は長編向きだ。勉強するには短編でも長編でもいいのだが、楽しみで読むには、起承転結のある、長い長いお話のほうが好きみたいだ。