「ドラゴンランス」残り1冊

体調も悪いので、読書に精を出す。というか、「ドラゴンランス」が面白いので、すっかりこの世界にはまり込んで、これ以外に目が向かないのだ。体調が悪いと言いながらも、実は楽しい思いをしていたりする。


こういった異世界のファンタジー(月が3つあるというのだから、地球でさえもないのだろう)は、ほとんど中世のヨーロッパ的な状況で、それは「指輪」の中つ国だってそんなものだ。


「指輪」の場合の絶対的なヒーローは、やはりアラゴルンなんだろうけど(指輪保持者として、世界を救ったフロドもヒーローと言えるが)、「ドラゴンランス」では、中心人物のハーフ・エルフのタニスはもちろんのこと、登場人物それぞれがヒーロー的な素質を持ち、脆弱な魔術師レイストリンでさえ、ある意味ではヒーローである。


そのほか、高潔な騎士スタームとか、民衆の期待を背負って立つエルフの姫ローラナとか、朴訥な大男キャラモンとか、好きな人物をあげようと思うと、誰か一人には決められないくらい、皆素晴らしいキャラクターなので、こんなに私好みのキャラが出てくる話は、ちょっと他には見当たらない。だから、楽しくて仕方がない。


こうしたファンタジーの例に漏れず、基本は善と悪の戦いが描かれているのだが、登場人物それぞれが、いかにも人間的な(エルフやドワーフやケンダーといった人間以外の種族であったりもするが)問題に苦悩しているのも、また魅力のひとつかもしれない。


4巻目で、騎士スタームが死ぬところなどは、マジで涙が溢れてきた。いかなる世の中でも、いかなる事態でも、高潔な自己犠牲による死は、人を感動させるものだなと思う。


ドラゴンランス」シリーズは、図書館では子どもの本棚に置いてあるのだが、子どもだけに読ませておくなんて、もったいない!大人でも十分に楽しめるシリーズだ。展開も早く、息をも継がせぬといった感じで、エンターテインメントとしても一級品だと思う。


ダークエルフ物語」のドリッズト・ドゥアーデンも大好きだが、「ドラゴンランス」のキャラたちもまた、私のお気に入りになるだろう。