第2回アメリカ南部映画祭(3)

欠席


「ドライビング・ミス・デイジー」
Driving Miss Daisy (1989)

ミス・デイジージョージアアトランタに暮らす頑固な未亡人で、元教師のユダヤ人。車の運転が難しくなったので、裕福な息子が黒人の老人を運転手に雇う。それから25年間、公民権運動が徐々に盛り上がるなか、ミス・デイジーと運転手の親密さは深まっていく。アカデミー賞作品賞、主演女優賞(ジェシカ・タンディ)。

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人種への偏見が根強いアメリカ南部の町。老いてもなお、威厳だけは失わない未亡人・デイジーに、黒人の専属運転手・ホークは従順に仕えていた。主従関係にありながらも、固いきずなで結ばれていくふたりの25年間を描き、派手な作品ではないにもかかわらず、作品賞ほかアカデミー賞4部門を受賞した珠玉作。

主演女優賞を受賞したジェシカ・タンディが、伝統に縛られる南部の女主人を凛とした表情で演じつつ、時折見せる慈しみにあふれた眼差しが絶品。彼女が初めて海を見たときを回想する演技は見事と言うしかない! 息子役ダン・エイクロイドの首まわりの肉づきなど、25年の年月を再現するメイクアップや、ホークの運転とともに、心地よく映像に滑りこんでくるメインスコアのメロディといった、細部の完成度も高い。人種差別にまつわる事件を絡めた時代表現は、ややあざとくも感じられるが、俳優たちの演技が些細な欠点を覆い隠し、繊細で感動的なラストシーンにたどり着く。(斉藤博昭)

内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
会社の社長となっていた息子は、運転中にあやうく大事故を引き起こしかけた母の身を案じ、専用の運転手を雇うことにした…。老女デイジーと、初老のベテラン黒人運転手ホークとの友情を描いたヒューマンドラマ。アカデミー賞作品賞他受賞作品。