映画の感想

まずは、あれば何かしら買う「映画グッズ」を出しちゃったけど、こんなものでも出さないと、この失望感は補えません。先に買って損したって感じまで。まあ、でも、どこかで吸血鬼とか狼男に出くわしたら、役に立つかもしれないし・・・。(--;

なんたって、吸血鬼もののヒーロー、ヴァン・ヘルシングの話なので、そりゃもう期待度は高かったのだけど、ヒーローって、「キング・アーサー」もそうだけど、絶対的なカリスマがなきゃダメ。ヴァンヘル役のヒュー・ジャックマンは、ほかの映画は知らないが、ちょっと貧乏くさい。カリスマの“カ”もない。思ったほど強くないし、ロン毛も似合わない。一応ハンサムの部類だろうが、この人なんかに安心して任せられないわという感じ。

超人的な力を発揮するのは変身後・・・って、これを書いてしまうとネタがバレバレなので、書きたいけど書けない。それって、アリ?掟破りだろー!って感じの変身なんですな。(^^;

それと、ヴァンヘルは過去のどこかでバチカンに助けられ、それ以来記憶喪失のまま、世の中の悪を倒すという設定なんだけど、たぶんキリスト教圏の人には、この映画の中での彼の過去というか正体は明確にわかるだろうが、そうでない人には、なんのことやら・・・だと思う。

ドラキュラ伯爵が、ヴァンヘルを「ガブリエル」と呼んだり、昔ドラキュラを倒したのは、「神の左側にいる者」とかという暗示が出てくるのだが、わかる人はここで正体がわかるはず。ドラキュラ伯爵は、「神の左側にいる者」に一度殺されたのだが、その後悪魔と契約を結び、不死になったというのもヒント。ヴァンヘル、あるいはバチカンは、モンスターと戦っているのではなく・・・ってこと。

実際、見ているほうとしては、そんなことはどうでも良くて、強く逞しい、カリスマ的なヴァンヘルを期待しているわけで、強く逞しくなくてもいいから、せめて圧倒的な魅力に溢れているとか、ハンサムでなくてもいいから、頭は良さそうだとか、何かしら秀でたところを見せて欲しかった。

むしろ原作のヴァンヘル教授のイメージからすると、ショーン・コネリーあたりのほうが良かったんじゃないかと。コネリーにあれだけのアクションはもう無理だろうけど、別にヴァンヘルが戦わなくても、頭を使うとか、お供の修道僧カール(「指輪」のファラミア)にアクションは任せるとか、いろいろ手はあるだろうに。

ファラミア(デヴィッド・ウェンハム)も、どんな役かと期待していたのだが、「指輪」のイメージとは全く違って、これはびっくり!こんな役もやるのかと。いわば、「007」や「バットマン」や「サンダーバード」に出てくる、新型武器を発明する博士みたいな役で、だけど修道僧なので、腰が低い。ヴァンヘルが頭を使えないので、頭脳部分はこの人が担当という感じ。カッコ悪いんだけど、ヴァンヘルのヒュー・ジャックマンよりは存在感ありでしょう。

それから、肝心のドラキュラ伯爵だが、なんで川崎麻世なの?という感じのドラキュラで、これもダメ。ドラキュラ俳優って、ヒーローと一緒で、そんじょそこらの人じゃダメなんだなあ。「インタビュー・ウィズ・バンパイア」の吸血鬼たちも、およそ吸血鬼らしからぬ吸血鬼でがっかりしたけど、ここでもまた。。。何が悲しいって、川崎麻世はないでしょう。それに、銀の杭でも死なないのに、なぜヴァンヘルの・・・と、これも言えない。

さらに、ドラキュラを倒すという使命に燃えた貴族の末裔であるアナ(ケイト・ベッキンセール)。ヴァンヘルとのロマンスもあるのだが、これも貴族にしては品がなくて役不足。まだ「リーグ・オブ・レジェンド」のミナ・ハーカー役のペータ・ウィルソン(TV版「ニキータ」)のほうが全然まし。ウィルソンのほうがセクシーだし。ベッキンセールのお色気は、どうも品がなくて、「ドラキュラに捕まってうっとり」というお約束の場面も、ため息が出ちゃうほど下手。むしろ、ドラキュラの花嫁の吸血鬼たちのほうが数倍いい。

というわけで、全然期待はずれに終わってしまった映画だったのだが、唯一、フランケンシュタインだけは良かった。もともとフランケン顔が好きなのかもしれないが、フランケンていい奴だったんだ・・・と。というか、フランケンシュタインというのは、生みの親の博士の名前だから、あの怪物には名前がないのだが。