「アメリカ南部映画祭」(2)

『The Soul of a Man』 (2003年)

内容:ブルーズが生まれた1930年代の不況期のミシシッピー。三人の黒人のブルーズマン(Skip James, Blind Willie Johnson, J.B.Lenoir)の音楽と人生を追いつつ、ブルーズの深奥に迫る、フィンクションをまじえながらのドキュメンタリーである。三人の歌を多数のミュージシャンたち(Nick Cave, Cassandra Wilson, Lou Reed, Los Lobos, Lucinda Williams等)がカヴァーする。

これはまだ日本では未公開で、前回は今年の9月頃に公開予定と書いたが、8月下旬公開決定。ブルーズの映画ばかり7本が、各地で公開される。これはその中の1本。他にはクリント・イーストウッドが監督、演奏もしているというブルーズ映画もあるらしい。詳細は以下のサイトへ。

<THE BLUES Movie Project>

公開前なので字幕なしだったが、ほとんど音楽なので、意味がわからないということもなかった。ブルーズ好きにはたまらない映画だろう。私もあえて言えば、ジャズよりブルーズのほうが好き。メンフィス・スリムとかエイシズとかが好きなので、Skip James などは、結構ツボ。私の血液型はO型で、アフリカ起源らしい。というわけで、黒人の魂には、どこか惹かれるものがあるのだろう。今日の担当だった村田先生は、かなりブルーズがお好きのようだ。

出だしは宇宙をバックに、Blind Wilie Johnson の“Dark Was the Night, Cold Was the Ground”が流れる。というのも、彼のその歌が、宇宙探査船ボイジャーのディスクに記録されているからだ。宇宙探査も大きなドラマだが、この三人のブルーズマンたちの人生にも、それぞれのドラマを感じた。

●次回は、フォルカー・シュレンドルフ監督の『A Gathering of Old Men』。