ウラジーミル・ナボコフの短篇全集

ナボコフの短篇全集が届いた。
これは以前から欲しくて仕方がなかったのだけど、典雅な文章が、個人的に好みである反面、ある部分では難解なナボコフの本を、本当に読むのか?という疑問がないわけでもなく、どうしようかな、と悩んでいたのだ。どこかで、短篇は比較的読みやすいというのを見て、それならと、とりあえず1巻だけ購入。

ナボコフアメリカの作家だが、名前から分かるように、生まれはロシアだ。イギリスの大学に行き、その後ヨーロッパに亡命し、アメリカに渡ったのち、スイスで没する。というわけで、彼はロシア語と英語のバイリンガルで、後年はロシア語で書いた小説を英語に翻訳することに従事していたようだ。1999年には、生誕100周年を迎えているので、ナボコフ関連の本は比較的手に入れやすいようだ。画像は、今回の短篇全集には関係ないものだが、この写真、目が鋭くていい感じ。他の写真は全然違っていたりするのだが。。。私の場合、作家の顔で買ってしまうこともあるので、注意しなければ!(^^;

しかし、とりあえず私は、本棚の未読の本を減らすことに従事しなくてはいけない状況なので、せっかく届いても、残念ながらまだ手がつけられない。というか、本は読みたいと思った時に手元にないと、読むタイミングを逸する。今は、アメリカ西部・南部系に目が向いているので、ナボコフを読む雰囲気ではないのだ。

というわけで、南部系のマキャモンの『ミステリー・ウォーク』を読了。これは死者の霊と向かい合ったり、「シェイプ・チェンジャー」と呼ばれる邪悪な存在と対決したりと、結構不気味な世界で、怖がりの私としては、正直言って怖かったのだけれど、マキャモン作品の常で、主人公の精神的な強さ、善なる魂に救われた。得体の知れない「邪悪な存在」が現れるというのは、前に読んだ『スワン・ソング』を思い起こさせた。

本棚の未読の本を減らすということで、次はさらっと読める『レベッカのお買いもの日記(2)』を読むことにしたのだが、なんだかこのところ、レベッカ続きだ。デュ・モーリア『レベッカ』に始まり、『ミステリー・ウォーク』でもレベッカ(主人公の祖母)が登場、そしてまた買い物中毒のレベッカの話。こういうのって、意識していないのに、なんとなく続いてしまうということがあるものだ。