『Good In Bed』

Jennifer Weinerの『Good In Bed』を読み終えた。これも「BJ系」かな?と思って、気楽に読めるだろうと思っていたら、案外重たいテーマがぎっしり書かれていて(文章的には「BJ」っぽいのだけれど)、かなり時間がかかりそうだったのだが、夕べなんとなく眠れなくて、夜中に一気に読んだ。

「とびきりのユーモアで綴った・・・」というのは、ちょっと違う気がする。ユーモアは、ほとんどない。文章が「BJ」っぽい独白だから、お気楽な感じを受けるが、この主人公の人生は、結構きつい。いや、ブリジット・ジョーンズだって、その他の本の主人公だって、みんな人生はしんどいものだと思って、一生懸命に生きているんだと思うけど。シチュエーションが違うだけで、それぞれ皆辛い思いをしているんだろうけど、今回の『Good In Bed』は、ちょっと深刻。とはいえ、この手の小説で、ブリジット・ジョーンズを超えるキャラクターは、まだ登場していないように思う。

それにしても、こういう小説の登場人物とかって、だいたい出版社だとか新聞社なんかに勤めていて、コラムなんかを書いていたりするんだけれど、コラムって、あんなに赤裸々に自分のプライベートなことを書いちゃうわけ?といつもびっくりする。

下にある内容説明にもあるように、今回もえ?とびっくりするような内容のコラムを書いている(元彼が)。こんなのあり?それってOKなの?って感じ。私がコラムというものを誤解しているんだろうか?とも思うが、世の中には、そんな赤裸々なコラムを、喜んで読む人がいるんだなと。

フィクションなんだから、そういうことはどうでもいいんだろうけど、この間読んだ『ガールズ・ポーカー・ナイト』のコラムもすごかった。上司との関係を全国紙に書いてしまうんだから、何を考えているんだろう?って感じ。

でも、毎度思うんだけど、こういう小説に出てくるような責任感のある優しい女友達って、ほんとにいるのか?と疑う。落ち込んでいたりすれば、必ず元気づけにつきあってくれるとか、何事かあれば、いろいろ助けてくれたりとか・・・。

だいたい結婚なんかしてしまえば、家庭のことが一番で、友達なんか二の次でしょう。自分の家庭が世界の中心みたいになってしまうんだから。結婚すると、もう明らかに付き合い方は変わってしまう。それぞれの家庭の都合ってものがあることはわかるけど、人間そのものが変わるわけじゃないのに、女同士はなぜそうなってしまうんだろう?こういう小説を読むと、そもそも友達だと思っていたのが間違いだったのか?とも思ってしまう。たぶん、きっとそうなんだろう。

そういう意味では、男の人っていいなと思う。結婚しても付き合いは変わらないし、長年会っていなくても、その間にある友情は変わっていない。最近お気に入りのコーマック・マッカーシーの小説には、そうした男の友情みたいなことも描かれていて、無駄口はきかないけれど、ちゃんと相手のことを思いやっているし、お互いに何かあれば助け合うという信頼感みたいなものがあるのが、とてもうらやましいと思った。